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をぐり 説教節「をぐり」より小栗判官照手姫

 3夜連続でお送りしましたをぐり。たくさんの方にお越しいただき誠にありがとうございました。

今回演者がつけていた仮面、町屋の夜の独特な舞台全てが手作りですが、いずれも古語体の文章にマッチした演出ではないでしょうか。

文平座が移転して2ヶ月経ち新しい稽古場のお披露目の機会としての公演も兼ねておりましたが、皆様はこの稽古場をどのように思われましたか。

前回の月の文筥とはまた違った内容だったかと思います。

文平座では今後とも様々なジャンルの公演にチャレンジしていきますので、ご期待ください。

以下、をぐりのあらすじ、写真ギャラリーとなっております。どうぞご覧下さいませ。

 

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をぐり あらすじ

 

 鞍馬の昆沙門天の申し子として生を受けた二条大納言兼家の嫡男小栗判官が、鞍馬からの帰路、菩薩池の美女に化けた大蛇の美しさに抗し切れず交わり、妻としてしまう。これが都の噂に上り、小栗は常陸の国に流される。小栗は武蔵相模の郡代横山殿の美貌の娘照手姫のことを旅の商人後藤左衛門から聞かされ、彼に頼んで文を渡す。照手姫から返事を受け取るや、小栗は十人の殿原(家来)とともに、照手姫のもとに強引に婿入りする。

 これを怒った横山によって、小栗と家来達は毒殺され、小栗は上野が原で土葬に、家来は火葬にされる。照手姫は相模川に流され、村君太夫(むらきみのたゆう)に救われるが、姥の虐待を受け千手観音の加護により難を逃れたものの人買いに売り飛ばされ、買われた美濃国青墓(おうはか)のよろず屋でこき使われる。

 一方、死んだ小栗と家来は閻魔大王の裁きにより「熊野の湯に入れば元の姿に戻ることができる」と現世に送り返される。餓鬼阿弥が小栗の墓から現れたのを見た上人は手紙を読み、小栗を車に乗せると胸の木札に「この車を引くものは供養になるべし」と書きしたためた。多くの人に引かれた車は美濃の青墓に到着する。

 常陸小萩(ひたちこはぎ)の名で働いていた照手姫は、小栗とは知らずに五日間に渡って大津まで車を引き、ついに熊野に到着する。熊野の湯の峰の薬効にて四十九日の湯治の末、完治し元の体に復活再生する。

 その後、小栗は京の都に戻り死からの帰還は珍事であると称えられ、常陸・駿河・美濃の国を賜ることになる。また、車を引いてくれた小萩を訪ね彼女が照手姫であることを知り、姫とともに都に上った。やがて小栗は横山を滅ぼし、死後は一度死んで蘇生する英雄として美濃墨俣の正八幡に祀られ、照手姫も結びの神として祀られた。

 

八女福島文平座

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